株価下落のM&A業界、買い時?

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投資情報

現在、M&A関連の株式が軒並み下落しています。

業界最大手の日本M&Aセンターをはじめ、M&Aキャピタルストライクなんかも軒並み下落しています。

そこで、M&A業界の現状と、下落要因、そして今後の展望についてまとめます。

M&A業界の隆盛の背景

まず、M&Aとは、Mergers and Acquistions の略で、直訳すると「合併と買収」という意味になります。

一般に「会社、ビジネスの売買」「複数のビジネスを一つに統合」する手法のことを表します。

昨今日本のM&A業界が盛り上がっている理由の一つに「後継者不足」があります。

皆さんの地元や住んでいる地域に、「何をやっているんだろう?」と思うような謎の小さい会社はたくさんあると思います。

2016年の経済産業省の統計によると、日本には357.8万もの中小企業事業者が存在しています。

皆さんがもし中小企業の社長の子供であれば、「ぜひ後を継ぎたい!」と思う会社もあれば、「先行き不安だし、継ぎたくない」と思う会社もあると思います。

特に地方の中小企業であれば、人材の流出も相まってこの後継者不足が深刻化しています。

そんな背景の中、後継者不在に悩む中小企業の悩みに応えるのがM&A業界であり、近年需要が高まっている業界の一つです。

日本の企業の実に99.9%が中小企業といわれていますから、生き抜く体力のない企業は合併するか廃業するかの二択に迫られているのです。

世界的に日本企業の生産性が低いといわれる所以はココにあるようですね・・・

こういった大きなトレンドを踏まえると、M&A業界が伸びていく、というトレンドは変わらない公算が大きいです。

M&A仲介は「利益相反」?

ではなぜ、そんなM&A業界の株価が軒並み下落しているのでしょうか。

それは、成長を続けてきたM&A業界に対して、河野太郎規制改革相の自身のサイトでの発言が話題となっています。

河野氏は2020年12月、M&A仲介業者は今後も取引先となる可能性がある買い手に寄り添う方が得になるとした上で「(買い手と売り手の)双方から手数料をとる仲介は、利益相反になる可能性があることを中小企業庁も指摘している」と発言しました。

M&A仲介では、会社を売りたい側と買いたい側、両方から仲介手数料を取るのが主流になっています。

それが、「より高く売りたい」売り手と、「より安く買いたい」買い手の間で、利益相反を起こしているのではないか、という指摘です。

これには一つ、M&A仲介に関する仲介手数料は明確な基準がないことが理由として挙げられます。

例えば買い手と売り手からの「両手」の手数料は不動産仲介にも見られますが、不動産売買仲介における手数料は、宅地建物取引業法で以下のように計算されることとなっています。

  • 物件価格✖️3%+6万(円)

これに対して、M&A仲介は特に手数料上限が定められていないことから、売り手と買い手が仲介手数料を大きく負担する事によって不利益が生じる懸念が指摘されているわけです。

しかし、この指摘は今に始まった話ではありません

以前からこういった指摘はあったものの、例えば日本M&Aセンターでは売り手側につくM&A担当者と、買い手側につくM&A担当者とで、会社は同じでも担当者を分けているため利益相反には当たらない、という整理で抜けてきたようです。

ここで、河野氏の実績を上げたいという政治的な思惑でしょうか?

そういったところで改めて指摘されてしまっているんですね。

日本M&Aセンターの株価推移

  • 日本M&Aセンター(2127)
  • 時価総額:966億円
  • PER:91.9(倍)
  • 従業員数:582人

こちらが日本のM&A仲介業界で一番大手の日本M&Aセンターの株式推移です。

M&A仲介の需要の高まりと共に株価はここ3〜4年で4倍程に上昇してきています。

直近では今回の河野大臣の発言などから「両手からの手数料は規制されるんじゃないか」等の不安が広がり、株価が高値から20%弱下落してきています。

「逆張りのタイミング」と見る投資家もいると思いますが、PERが未だ91.9倍と既に期待価値を含んだ高い水準と言えることからも一概に買いのタイミングであるとも言いません。(ただ、個人的にはめちゃくちゃ買いたいです。)

まとめ(M&Aの今後)

M&A業界は目下両手手数料の問題が法で規制されるのか」という争点が注目され、その答えは売上等業績に直結するので注意が必要です。

個人的には、法律で規制され、突然収益性が下がる可能性は低いと考えています

これは現在政府や国会がコロナ対応に追われており、M&A業界の規制に積極的に時間を割くことは考えづらいことや、政府から強制的に一定の業界の収益性を制限することは資本主義の原則に反していることなどがその理由として挙げられます。

むしろ今後、M&A業界の需要が伸びていくならば、競合他社の台頭も目立ってくると思います。

その競争の中で、仲介手数料は適切な価格競争にさらされることで、「利益相反」から徐々に離れていくのではないかと思います。

また、仮に『利益相反』が指摘された場合、例えば同じグループ会社でM&Aの買い手専門会社と売り手専門会社とを分ける、だとか、同じ会社内でも、部として買い手につく部と売り手につく部とを明確に分ける、といった対応が想定されるようです。

いずれにしても、「後継者不足」は少子高齢化、地方の過疎化が進む日本ではもはや普遍のテーマですから、M&A業界が衰退するシナリオは極めて薄いと思います。

加えて言うと、現状の高いM&A仲介手数料にも、仮に政府のメスが入ったとすると、M&A仲介事業以外の収益モデルを生み出していない業界二番手以降のM&Aキャピタルや、ストライクなどは厳しい状況になることも想定されます。

そういった意味では、その場合も想定し、先手を打ってM&A成約後のフォロービジネス等で収益を上げている日本M&Aセンターが最も強いんじゃないでしょうか。

まとめると、M&A業界は長期的には超強気の見通しである一方、短期的に政府のメスが入る可能性が高いことから、最悪の事態を想定したときに非常に体制のある日本M&Aセンターが買いだと考えます。

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