カブリバ冒険譚 in 高校生の恋愛編

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日夜Twitterに勤しむ皆様、ごきげんよう。

私は投資でも恋愛でもドルコスト平均法による着実な積立を狙う男、カブリバどっとこむだ。

私は日夜真面目なエリートサラリーマンとして日々研鑽を積んでいる他、もう一つの顔がある。

それは日々女性との出会いを求め、あくなき知的好奇心の探求に勤しんでいることだ。無論、常に日本人男性としてのモラルを持ち、紳士的な振舞いをしていることは付け加えておく。

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高校生とは不思議な時期である。

子供でもなく、大人でもない。

正しい判断を下す知識も経験もないのに、大人の判断の言いなりになることを許せない。

恋愛に関してもそうだ。自分の気持ちを素直に表すことができず、時に裏腹な行動をとり、後になって後悔先に立たずなんてこともしばしば。

普段圧倒的経験値を誇り、普段から皆さんにその失敗談や成功談を語っているカブリバどっとこむにも、もちろんそんな愚かで馬鹿馬鹿しく誇らしい高校時代があった。

今回私が語るお話は、そんな高校時代の紛れもない現実の話である。

私は当時青いdocomoのガラケーを使っていた。わずか数センチ四方の画面にあらゆる夢を見ていた時代は、体も心も繊細な時期を過ごしていた私にとってあまりに鮮烈で思い出深い。今でもふと気づいたらあの教室の喧騒の中にいる気がするのだ。

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 先生のホームルームの話をまともに聞いた記憶はほとんどない。学生の本分は放課後にこそあると思っていた私が、その目的地へ極限まで接近しているホームルームに真面目に耳を傾けたことなどないからだ。当時高校2年生の16歳だった私は県内2番目の進学校に通っており、その時期から担任は受験の話を盛んにしていたと思うが、私には届いていなかった。文武両道を全面に押し出し、生徒全員が何かしらの部活に所属している我が高校の生徒たちは、放課後も慌ただしく部活へと向かっていく。サッカー部、バスケ部、水泳部・・・。部活が休みのクラスメイト以外は皆散り散りに去っていった。今日も放課後が始まる。時刻はまだ16時前、私が住む東北地方の3月はまだまだ肌寒い。教室窓際の一番後ろという定点から風景を観測し続けている私は、徐々に日が長くなっていることを知っていた。季節の移ろいの中で日が長くなっていくことは、人生の時間が長くなったように感じるから好きだ。何をしようか。私は昨日の日曜の朝早起きしてドラゴンボールGTを見ている時と同じくらいワクワクしていた。

頭で考えるより早く、指のクセで「mixi」にログインすると、新しいメッセージが来ていた。私はmixiガチ勢とも言えるほどこのアプリに精通しており、プロフィール設計もしっかり行い、一定のアクセス数を確保していた。県内トップ高校の頭脳を持つ私は、勉学にその力を発揮しない代わりにmixi上のWebマーケティングに心血を注いでいたのだ。

そんな私に、他高校の女子から一通のメッセージが届く。

「ワンピース好きなんですね!私も映画見に行きたい^ ^」

激アツメッセージ到来である。これが仮に「ぱちんこCR mixi」であれば、携帯の枠が金枠となり、充電口からエアバイブが発生していたと思う。名前はちあきちゃんと言うらしい。自己紹介を含めたメッセージを数回やりとりした後、来週、公開中の「ワンピース フィルムZ」を一緒に観に行くことになった。

私はその日すぐさま帰宅し、姉の部屋からワンピース全巻を盗み出し、予備知識の習得に努めることを決意した。家路のチャリンコを漕ぐ足が妙に軽い。目の前の青信号が点滅し、私はもう一段階ギアを上げて漕ぎ出した。

当日は月曜日。先週と同じく授業を終え希望の放課後を迎えた私は外見から普段と一味違かった。デートが決まってから私はコンビニに45分居座りファッション雑誌を立ち読みで読破し、完全にファッションのセオリーを会得していた。進学校で鍛えられた速読のスキルは汎用性が高いのだと知った。普段はジャージばかり着ているのでクラスメイトからは突っ込まれたが、関係ない。こいつらはファッション雑誌を読破していない。事情があって髪の毛は染めることもいじることもできなかったため、眉毛もいじれるだけいじり倒した。

校門を出て自らのホームを離れると、緊張でドキドキしていた。今ならそんな時タバコを吸うのだろう。私は自販機でコーラを買い、グッと飲み込んだ。強めの炭酸と分かり易い甘さが脳まで響いた。

地下鉄に乗り、待ち合わせ場所の映画館へ到着すると、所定の場所に髪の長い可愛らしい女子高生がいた。完全にどストライク。普段の私ならどストライクすぎて力んでフルスイング、レフト方向へのファールにしてしまうレベルだ。緊張はより高鳴ったが、それに気づかれないように細心の注意を払う。

 高校生の我々にとってワンピースは偉大だった。ストーリーの面白さに夢中になっている内緊張は解け、上映後は映画の感想を語りあって大いに盛り上がった。一通り楽しい時間を過ごした後、人気の少ないベンチに移動して話すことになった。

その時私は「もしかしたらここで付き合う流れになるかも?」と考えていた。考えていたというかもはや確信していた。それほどに会話は盛り上がっており、ワンピースは面白かったのである。

しかしそのベンチで私を待っていたのは、衝撃の事実と、悲しい結末だった。

映画の話から、学校の話、友達の話や部活の話。いろいろなことを話し尽くし、少し無言の時間が訪れる。初めての経験なのに「重要なことを話す時間が来たのだ」となんとなく分かるのはなぜだろう。

ちあき「カブリバ君に言わなきゃいけないことがあるんだけど」

カブ「なに?^^」

ちあき「私、髪の毛ウィッグなんだよね^^」

カブ「!?!?!?」

ちあきちゃんは規則の厳しいバスケ部に入部しており、髪を極限まで短くすることを強制されていたのだ。部活の日以外はおしゃれを楽しむためにウィッグをつけているのだという。

今、聞けば簡単に理解できる話だ。この程度理解できないのなら男が悪いと感じる。だが、当時の私はウィッグと言う文化と邂逅したことがないため、かなり動揺した。そして、「なぜ、ウィッグなどつけるのか」「髪が本物でないなら早く言ってほしかった」などと意味のない言葉で髪の毛について追及してしまった。それが全ての過ちだった。ちあきちゃんは一瞬黙り込んだあとこう告げた。

ちあき「・・・カブリバ君に言われたくないな」

カブ「どうして?!?!」

ちあき「だって」

カブ「うん!!!!」

ちあき「だって君」

カブ「うん」

ちあき「自分も丸ボウズじゃん」

カブ「っっっっっッッ!!!?!?!」

そう。

完全に忘れていた。ついでに書くのも忘れていた。

私は野球部に所属していたので当然丸ボウズだった。部活が休みの月曜日にファッション雑誌でおしゃれしてみてもボウズはボウズだった。

髪が総じて0.5cmしかない私に、女性の髪の毛をとやかく言う資格は、あるわけなかった。

R指定vs呂布カルマのR指定の最後のバースと同じレベルのパンチラインを喰らい、私は返す言葉を失った。

地下鉄の駅でそのまま解散し、肩を落として家に到着した私は、鏡に映った丸ボウズを触って感触を確かめた。いつもより少し頼りなく、寒寒しく感じた。

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今、私は考える。当時の私は自分がボウズであることを棚に上げて女性の心を傷つけてしまったが、同じような過ちを繰り返してはいまいか?と。

今、高校野球は終わり髪は生えているけれども、「人への思いやり」を失った心がつるっぱげの「心の丸ボウズ」になってはいまいかと。

自戒の念を込め、そしてここまで読んでくれた読者の最後の1笑いのため、とある1枚の写真を載せる。

あえて言おう、この話は嘘ではない。私は確かにその日、この文章の中に存在したのだ。

終わり

だが私の人生は

to be continued

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